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神経回路:異なる種類の喉の渇きを支配する神経基盤

Nature 588, 7836 doi: 10.1038/s41586-020-2821-8

液体の摂取は生命維持に必須の行動であり、主に2つの異なる種類の口渇によって引き起こされる。1つは血液浸透圧の上昇による浸透圧性口喝で、動物に真水の摂取を促す。これに対し、もう1つの体液の喪失が誘発する低液量性口渇では、動物は血液量を回復するために水と塩分の両者を求める。前脳の終板の脳室周囲器官は、両方の種類の口渇刺激を感知するのに非常に重要な部位である。しかし、異なる種類の口渇が、脳内でどのように処理されているかは分かっていない。今回我々は、単一細胞塩基配列解読を用いた刺激–細胞タイプ対応マッピングにより、浸透圧性と低液量性口渇の細胞基盤を明らかにした。本研究では、まずそれぞれの脳室周囲器官構造の内部に、多様な興奮性および抑制性ニューロンのタイプがあることが明らかになった。また、浸透圧性ストレスと低液量性ストレスの下では、それぞれに特有な組み合わせのニューロンタイプが活性化することが分かった。これらの結果から、異なる種類の口渇刺激を処理する神経基盤が解明された。さらに、口渇の種類特異的な細胞タイプに対して光遺伝学的な機能獲得を行うことで、2種類の口渇刺激によって誘発される真水に対する欲求と水と塩分への欲求を再現することができた。まとめると今回の結果は、口渇には複数の生理的状態が存在し、異なる口渇状態は、哺乳類脳内でそれぞれ特異的なタイプのニューロンによって媒介されることを示している。

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