Review
免疫学:繊維症:その機序から治療法まで
Nature 587, 7835 doi: 10.1038/s41586-020-2938-9
繊維症はあらゆる器官に影響を及ぼし得る疾患で、工業化した世界において全死亡者数の最大45%の原因となっている。繊維症は長年、急速に進行する不可逆的な疾患と考えられてきたが、さまざまな器官系の前臨床モデルや臨床試験から、非常に動的な過程であることが示されている。これは、こうした固有の可塑性を十分に利用すべく設計された治療介入の数々において、明確な意味を持つ。しかし、繊維症の病理生物学的な理解の大きな進歩にもかかわらず、抗繊維化標的の候補の発見と病理生物学的知識のヒトでの効果的な治療法への変換との間には、いまだトランスレーショナル(橋渡し的)な隔たりが残されている。本論文では、繊維症を調節する重要な細胞・分子機序の解明に利用されている革新的な実験戦略、そして繊維症患者のプレシジョン・メディシン(精密医療)に基づく治療の実現を可能にするトランスレーショナル手法について概説する。

