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量子物理学:量子相転移発現の殻ごとの観測
Nature 587, 7835 doi: 10.1038/s41586-020-2936-y
多体物理学は、系の構成要素のみを調べるだけでは理解できない現象を記述する。対称性の破れ、相転移、集団励起は、その際立った例である。系が個々の粒子から徐々に組織化される際に、そうした集団的挙動がどのように発現するかを理解することは、原子物理学、核物理学、固体物理学における数十年来の目標である。今回我々は、常流動相から超流動相への量子相転移の少数体前駆現象を観測したことを報告する。この相転移では、ヒッグスモードと呼ばれることの多い、秩序パラメーターの振幅の振動に伴うモードのソフト化がその前兆となる。我々は、二次元調和ポテンシャルに閉じ込められた極低温フェルミオンの微細制御を実現し、基底状態において2個、6個、12個のフェルミ原子の閉殻配置を高い忠実度で作成した。次に、今回のメゾスコピック系において、対エネルギーをゼロから殻の間隔より大きい値まで調節しながら分光観測を行った。我々は、原子の完全計数統計を用いて、最低共鳴が、コヒーレントに励起された対のみからなることを見いだした。この多体励起の明確で非単調な相互作用依存性と、数値計算との比較を組み合わせることで、これがヒッグスモードの前駆現象だと特定することができた。今回の原子シミュレーターによって、集団現象の発現と熱力学的限界を粒子ごとに調べる方法が得られる。

