Review
構造生物学:機械刺激受容イオンチャネルの構造と生理学的機能に関する発見
Nature 587, 7835 doi: 10.1038/s41586-020-2933-1
物理的力を感知する能力はあらゆる生物に広く保存されている。細胞は、機械刺激受容イオンチャネルを介して、機械刺激を電気シグナルあるいは化学シグナルに変換する。近年、PIEZOチャネル、OSCA/TMEM63チャネルのようなメカノセンシティブイオンチャネルの新しいファミリーが見つかり、それに伴ってこれまでに研究が進んでいたこの種のチャネルについて予想外の知見が得られ、メカノトランスダクションの分野がさらに発展することになった。現在では、触覚、血圧の感知や聴覚のような詳しく研究されてきた複数のメカノセンシングの役割が、一次メカノトランスデューサーと結び付けられている。今後も、メカノセンシングが果たす予想外の役割が次々と明らかにされるだろう。また、機械刺激受容チャネルの今までに報告されているほぼ全てのファミリーの代表的チャネルの高分解能構造は、圧力感知の生物物理学的機構の解明を進める一方で、チャネルの多様性を強く示している。本論文では、既知の機械刺激受容イオンチャネルファミリーの生理学的機能と構造に関する最近の知見をまとめ、それらの機械力センシング機構の解明との関わりを論じていく。

