分子生物学:ヒト40Sリボソーム成熟の最終段階の構造基盤
Nature 587, 7835 doi: 10.1038/s41586-020-2929-x
真核生物のリボソームは、40Sの小サブユニットと60Sの大サブユニットから構成されており、これらのサブユニットは極めて協調的に集合している。リボゾームRNAの正確な修飾やプロセシング、折りたたみ、そしてリボソームタンパク質の適切なタイミングでの組み込みは、200個を超える因子の働きによって確保されている。小サブユニットの成熟は細胞質ゾルで終了し、最終のrRNA前駆体である18S-Eは、その時点でエンドヌクレアーゼNOB1によって部位3で切断される。ヒト40S前駆体の以前に報告された構造では、NOB1はその結合相手であるPNO1によって不活性状態に維持されていることが示されていた。成熟の最終事象には、非常に重要なrRNA切断段階のためのNOB1活性化や、生合成に関わる最終因子群の解離を駆動する機構などが含まれているが、これらはまだ解明されていない。今回我々は、ヒトの40Sサブユニット前駆体の5つのクライオ電子顕微鏡構造を報告する。これらは40S集合の最終段階で起こる構成成分やコンホメーションの変化の進展を示している。我々の構造によって、PNO1の移動と解離にRIOK1が持つ重要な役割が説明され、PNO1は次いで、エンドヌクレアーゼNOB1のコンホメーション変化と活性化を可能にすることが分かった。我々はまた、EIF1AD(eukaryotic translation initiation factor 1A domain-containing protein)とLRRC47(leucine-rich repeat-containing protein 47)という2つの因子が、RIOK1と中央のrRNAヘリックス44の近傍にある後期プレ40S粒子に結合することを観察した。さらに、機能解析データから、EIF1ADは効率の良い集合因子リサイクリングと18S-Eプロセシングに必要とされることが明らかになった。従って、我々の結果によって、ヒト細胞での40S形成の最終段階の詳細な理解が可能となり、加えて、リボソーム小サブユニット形成について、ヒトとモデル生物である出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)との間の主な違いについての証拠が得られた。

