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ウイルス学:宿主のANP32Aはインフルエンザウイルスレプリカーゼの組み立てを仲介する

Nature 587, 7835 doi: 10.1038/s41586-020-2927-z

水鳥類は、パンデミック(世界的大流行)を引き起こす新しいA型インフルエンザウイルスが出現する可能性のある大きなリザーバーである。インフルエンザウイルスは、分節したマイナス鎖RNAゲノムを持ち、このゲノムはウイルスのリボ核タンパク質複合体という状況において、ウイルスのヘテロ三量体RNAポリメラーゼ(FluPol)によって転写・複製される。A型鳥インフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼ(FluPolA)は、ヒト細胞でウイルスRNAを効率的に複製できないが、これはFluPol活性に不可欠な宿主タンパク質ファミリーであるANP32(acidic nuclear phosphoprotein 32)に種特異的な差異があるためである。宿主への適応変異、特にPB2サブユニットにある627ドメイン内の627番目のアミノ酸残基のグルタミン酸からリシンへの変異(E627K)によって、鳥類のFluPolAはこの制限を克服でき、ヒトANP32タンパク質の存在下でウイルスRNAの効率的な複製が可能になる。しかし、ゲノム複製やANP32タンパク質との相互作用の分子機構はほとんど分かっていない。今回我々は、ヒトおよびニワトリのANP32Aと複合体を形成したC型インフルエンザウイルスポリメラーゼ(FluPolC)のクライオ電子顕微鏡構造を報告する。いずれの構造においても、2つのFluPolC分子が非対称な二量体を形成していて、これらの分子をANP32AのN末端のロイシンリッチリピートドメインが架橋している。ANP32AのC末端の複雑性の低い酸性領域は、FluPolA非対称性二量体の2つの並置されたPB2 627ドメインの間に挿入されていることから、哺乳類宿主においてPB2(E627K)適応変異がどのようにしてウイルスRNAの複製を可能にするかついての機構が示唆された。我々は、この複合体がウイルスRNAゲノムの複製プラットフォームであり、ここでFluPol分子の一方がレプリカーゼとして機能して、他方が新生複製産物のウイルスリボ核タンパク質複合体への組み立てを開始すると提案する。

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