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生化学:メチルトランスフェラーゼ活性を持つリボザイムによる部位特異的RNAメチル化
Nature 587, 7835 doi: 10.1038/s41586-020-2854-z
ほぼ全ての種類のコーディングRNAとノンコーディングRNAは、RNAメチル化などの転写後修飾を受ける。中でもメチル化ヌクレオチドは、転移RNA(tRNA)とリボソームRNA(rRNA)の進化的に最も保存された特徴である。現在の多くのメチルトランスフェラーゼは、メチル基供与体として普遍的な補因子であるS-アデノシルメチオニン(SAM)を用いている。SAMや他のヌクレオチド由来の補因子は、リボザイムが自己複製だけでなく必須の代謝反応も触媒していたであろうRNAワールドからの進化的遺物だと考えられている。自然界では化学的に多様なリボザイムは失われてしまったようだが、実験室ではin vitroでの選択により再構築できるかもしれない。本論文では、低分子の補因子としてO6-メチルグアニンを用いて、基質RNAに1-メチルアデノシンを部位特異的に導入するメチルトランスフェラーゼ活性を持つリボザイムを報告する。このリボザイムは、さまざまなRNAでアデノシンを部位特異的にメチル化したことから示されるように、幅広いRNA塩基配列に作用する。この知見は、RNAの触媒作用について根本的な手掛かりを示しており、RNAに1-メチルアデノシンを導入する人工ツールをもたらすとともに、メチルトランスフェラーゼ活性やデメチラーゼ活性を持つ他のリボザイムのin vitro進化に向けた道を開く可能性がある。

