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ゲノミクス:発生中のヒト大脳皮質における細胞タイプ特異的3Dエピゲノム
Nature 587, 7835 doi: 10.1038/s41586-020-2825-4
ヒトの大脳皮質形成における細胞系譜特異的なエピゲノムの変化は、試料の入手が難しく、組織が不均一であるため、これまで研究が困難であった。例えば、単一細胞RNA塩基配列解読を用いた以前の研究では、背側皮質だけでも、少なくとも9種類の主要な細胞タイプと、最多で26種類の異なるサブタイプが見つかっている。今回我々は、ヒト大脳皮質の妊娠中期の試料から単離した放射状グリア細胞、中間的な前駆細胞、興奮性ニューロン、介在ニューロンについて、細胞タイプ特異的なシス調節性クロマチン相互作用、オープンクロマチンのピーク、トランスクリプトームの特徴を解析した。その結果、クロマチン相互作用が遺伝子調節の複数の局面の基礎となっており、転位性遺伝因子や疾患関連バリアントが細胞タイプ特異的様式で遠位の相互作用領域に多く存在することが明らかになった。加えて、クロマチン相互作用性レベルの上昇したプロモーター(超相互作用性プロモーターと呼ばれる)は細胞系譜特異的遺伝子で多く見られ、これは、これらの座位での相互作用が転写の微調節に関与していることを示唆している。さらに我々は、免疫染色、CRISPR干渉法、RNAscope、画像解析を統合して、不均一な初代細胞集団で細胞タイプ特異的なシス調節エレメントを検証するための技術としてCRISPRviewを開発した。今回の知見から、発生中のヒト大脳皮質における細胞特異的な遺伝子発現パターンに関する手掛かりが得られ、この極めて重要な発生期間における遺伝子調節や細胞系譜指定に関する理解が深められた。

