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免疫学:クロマチンによるcGASの隔離と自己阻害の構造基盤

Nature 587, 7835 doi: 10.1038/s41586-020-2748-0

サイクリックGMP–AMPシンターゼ(cGAS)は細胞質ゾル中の微生物DNAに対する自然免疫センサーである。cGASは、DNAに結合した後にメッセンジャーとなる2′3′サイクリックGMP–AMP(cGAMP)を合成し、これがSTINGの活性化を介して細胞自律的な防御や、I型インターフェロンと炎症性サイトカインの産生を誘発する。cGASはまた、細胞質ゾル中の微生物DNAに応答するのに加えて、細胞質ゾル中に誤って局在している自己DNAも認識し、自己免疫や無菌性炎症に関わっているとされてきた。そして、病原体DNAや損傷関連DNAに対するcGASの特異性は、細胞質ゾル中に閉じ込められていることによると考えられていた。しかし、最近の知見によってcGASが核内に存在することが確実となり、核内では、自己DNAへの自己反応性を防止するためにクロマチンへの緊密な係留が重要であることが分かっている。本論文で我々は、cGASがクロマチンによって隔離され、阻害される仕組みを明らかにする。ヌクレオソームに結合したcGAS触媒ドメインのクライオ電子顕微鏡による構造から、cGASはヌクレオソームDNAとは結合しておらず、ヒストン2A–2Bと結合していて、「酸性パッチ」にしっかりと固定されていることが分かった。この結合によってcGASのDNA結合部位Bは埋没し、活性なcGAS二量体の形成が阻害される。酸性パッチは、cGASへの結合に関して拮抗しているDNAのcGASへの結合を強く抑えている。これは、ヌクレオソームによる隔離は、活発に転写されているゲノム領域のような接近可能なDNAが近くに存在する場合でも、cGASを効率よく阻害し得ることを示唆している。我々の結果は、核にあるcGASがクロマチンによって隔離される仕組みを明らかにしており、核内の自己DNAに対する自己反応性を抑制する機構を示している。

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