天文学:銀河系内のマグネターからの継続時間がミリ秒の高輝度電波バースト
Nature 587, 7832 doi: 10.1038/s41586-020-2863-y
マグネターは強い磁気を帯びた若い中性子星であり、X線やγ線の極めて大きなバーストとフレアを時々生成する。銀河系とマゼラン雲で現在知られている約30個のマグネターのうち、5個がトランジェントな電波パルスを示している。高速電波バースト(FRB)は宇宙論的な距離から到達する、持続時間がミリ秒の電波バーストで、そのうちいくつかは反復することが観測されている。反復FRBの有力なモデルは、それらが銀河系外のマグネターを起源とし、その強力な磁場によってエネルギーを供給されるというものである。しかし、このモデルの問題点は、FRBの電波輝度が、銀河系内の既知のマグネターで観測されているものよりも数桁大きくなければならないということである。本論文では、CHIME(カナダ水素強度マッピング実験)のFRBプロジェクトで、銀河系内のマグネターSGR 1935+2154から極めて強力な電波バーストを検出したことについて報告する。この明るい電波バーストは2つの成分からなり、そのフルエンスと推測されるSGR 1935+2154までの距離を合わせると、400~800 MHzのバーストのエネルギーが約3 × 1034 ergと示唆された。この値は、これまでに検出されている電波を放射するいかなるマグネターのバーストのエネルギーより3桁大きい。近傍の銀河(距離が約12メガパーセク未満)に由来するそうしたバーストは、典型的なFRBと区別できないと思われる。しかし、最も明るくかつ最も活動的なFRBの生成源とSGR 1935+2154のようなマグネターに観測されるものとの間には観測されるエネルギーと活動度に大きな空白があることを考えると、全ての観測結果を説明するには、より高エネルギーで活動的な生成源、おそらく若いマグネターが必要である。

