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構造生物学:原子分解能の単粒子クライオ電子顕微鏡

Nature 587, 7832 doi: 10.1038/s41586-020-2829-0

タンパク質分子中の各原子の三次元位置は、タンパク質の構造や生物学的過程での役割を定義付けている。より正確な原子座標が決定されれば、より多くの化学的情報が得られ、タンパク質の機能についてより多くの機構的知見が得られるかもしれない。クライオ電子顕微鏡単粒子解析は近年、より詳細なレベルのタンパク質構造をもたらしてきた。しかし、タンパク質中の個々の原子を可視化するのに十分な分解能を持つクライオ電子顕微鏡再構成像を得るのは難しいことが判明している。今回我々は、新規の電子線源とエネルギーフィルター、カメラを使用して、ヒトの膜タンパク質であるβ3 GABAA受容体ホモ五量体の1.7 Å分解能でのクライオ電子顕微鏡再構成像を得た。このマップによって、小分子の配位が詳細に解明され、溶媒分子の可視化、多数のアミノ酸の選択可能な複数のコンホメーション、また秩序立った配置の酸性側鎖や多糖の曖昧さのない構築が可能となった。マウスのアポフェリチンに対して我々の戦略を適用したところ、1.22 Å分解能の再構成像が得られ、単粒子クライオ電子顕微鏡による正真正銘の原子分解能でのタンパク質分子像がもたらされた。さらに、多数の水素原子からの散乱ポテンシャルが差分マップ中で可視化され、水素結合ネットワークの直接解析が可能となった。我々の技術的進歩は、データ取得を加速し試料の質を向上させるためのさらに進んだ手法と組み合わせると、小分子の調節因子のハイスループット・スクリーニングや構造ベースの創薬にクライオ電子顕微鏡をルーティンとして使用する道筋をもたらす。

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