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細胞生物学:TRADDの調節による細胞恒常性の回復とアポトーシスの抑制

Nature 587, 7832 doi: 10.1038/s41586-020-2757-z

ヒトの疾患における細胞死は、細胞の恒常性が乱れた結果であることが多い。細胞の恒常性を回復させずに細胞死を阻止すると、機能不全状態や病的状態の持続につながる可能性がある。細胞死の機構は徹底的に調べられてきたが、細胞死の抑制後に恒常性が回復できる仕組みについては分かっていない。今回我々は、アダプタータンパク質であるTRADDが、細胞の恒常性とアポトーシスの両方に対する直接的な調節因子であることを突き止めた。ベクリン1のK63結合型ユビキチン化はTRAF2、cIAP1、cIAP2によって仲介されるが、TRADDはこのユビキチン化を抑制することで細胞の恒常性を調節し、それによってオートファジーが低下する。TRADD欠損は、RIPK1依存的な外因性アポトーシスと、プロテアソームストレスに誘導される内因性アポトーシスを抑制する。我々はまた、小分子のICCB-19とApt-1がTRADDのN末端にあるTRAF2結合ドメイン[TRADD-N;C末端ドメイン(TRADD-C)およびTRAF2と相互作用してRIPK1とベクリン1のユビキチン化を調節する]のポケットに結合することを示す。ICCB-19あるいはApt-1によるTRADDの抑制は、蓄積した変異型タウ、α-シヌクレイン、あるいはハンチンチンを含む細胞のオートファジーを活性化することにより、アポトーシスを阻止して細胞の恒常性を回復させる。変異型タウ(P301S)によって誘導されるプロテイノパチーのマウスモデルにおいて、Apt-1による治療でタンパク質恒常性が回復し、細胞死が抑制された。我々は、TRADDの薬理学的標的化は、細胞死を抑制し、恒常性を回復させて、ヒトの疾患の治療するための有望な戦略になり得ると結論する。

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