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分子生物学:Xistの局在化と遺伝子抑制を仲介するタンパク質集合体

Nature 587, 7832 doi: 10.1038/s41586-020-2703-0

核区画は遺伝子発現の調節にさまざまな役割を担っているが、区画の形成を引き起こす分子レベルの力や成分はほとんど解明されていない。長鎖ノンコーディングRNAであるXistは、転写される座位に空間的に近い領域に高濃度で局在し、多様なタンパク質と結合することによって染色体内区画を確立し、X染色体不活性化(XCI)を達成する。従ってこのXCI過程は、RNAが多様なタンパク質を動員して、機能を持った区画を作り出す仕組みを理解するのに適した典型例となる。不活性X(Xi)区画の特性は時間経過とともに変化することが知られているが、それは最初にXistが広がり、転写が停止した後には、もしXistが消失しても、遺伝子の抑制が安定に維持される状態に達しているからである。今回我々は、Xist RNA結合タンパク質PTBP1、MATR3、TDP-43、CELF1がXistの多価のE反復配列上で集合し、自己凝集とタンパク質同士のヘテロ相互作用を介してXi領域中に凝集体を形成することを示す。この凝集体は、遺伝子の抑制とXistのXi領域への係留に必要であり、Xistがなくても維持される。これらのE反復配列結合タンパク質が必須になるのは、Xistに依存しないXCIへの移行と同時であり、これはE反復配列を核とする凝縮体が、Xist依存性からXist非依存性への切り替えの基盤となっていることを示している。まとめるとこれらのデータは、広く存在するRNA結合タンパク質で構成されたヘテロマー凝集体が核になって、XistがXi区画を形成することを示していて、遺伝性の遺伝子抑制が予想外の機構で起こることを明らかにしている。

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