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分子生物学:霊長類に見られる介在ニューロンレパートリーの新機軸

Nature 586, 7828 doi: 10.1038/s41586-020-2781-z

霊長類と齧歯類は、約9000万年前に共通の祖先から分岐し、現在では行動や認知能力に大きな違いが見られるが、そうした差異の細胞学的基盤については分かっていない。今回我々は、単一核RNA塩基配列解読を用いて、3種の霊長類(ヒト、アカゲザル、コモンマーモセット)、齧歯類(マウス)、食肉類(フェレット)の相同な複数の脳領域に由来する個々の介在ニューロン18万8776個について、RNA発現プロファイリングを行った。その結果、相同な介在ニューロンのタイプ(RNA発現パターンから容易に特定された)は、フェレットとマウスと霊長類の間では、その数とRNA発現に大きな差異が見られたが、霊長類3種の間では差異は少なかった。どの種に関しても、特定の介在ニューロンサブタイプの「マーカー」として特定された遺伝子のうち、他の種でも同じ特性を持つものはほんの一部だった。霊長類の新皮質では、数十の遺伝子が同一タイプの介在ニューロン間で空間的な発現勾配を示し、これは、皮質環境の領域的な差異が成体の新皮質介在ニューロンのRNA発現パターンを形作ることを示唆している。以前マウスの海馬と関連付けられた、ニューログリアフォーム(neurogliaform)細胞の特徴を持つ介在ニューロンタイプ「蔦細胞」は、ヒト、アカゲザル、コモンマーモセットでは新皮質全体に豊富に存在するが、マウスやフェレットでは新皮質には拡大していないことが分かった。また、霊長類3種の線条体には、マウスやフェレットの線条体には分子的に相同な細胞が存在しないような介在ニューロンタイプが豊富に存在するという、霊長類の皮質内における顕著な新機軸も明らかになった。これらの介在ニューロンは、転写因子、受容体、神経ペプチドをコードする遺伝子の独特な組み合わせを発現しており、コモンマーモセットとヒトでは線条体介在ニューロンの約30%を占めていた。

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