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集団遺伝学:バイキング世界の集団ゲノミクス

Nature 585, 7825 doi: 10.1038/s41586-020-2688-8

バイキング時代(紀元750~1050年頃)のスカンジナビア人集団の海洋進出は、世界史において広域にわたる変化をもたらした。今回我々は、この進出事象の世界的影響を理解するため、ヨーロッパおよびグリーンランド各地の考古学的遺跡に由来する442個体のゲノム塩基配列を解読した(深度中央値は約1倍)。その結果、バイキング時代のスカンジナビアでは南方および東方からの遺伝子流動があったことが明らかになった。また、スカンジナビアの南部に複数の多様性ホットスポットが見られ、スカンジナビア内の遺伝子流動は限定的だったという遺伝的構造も観察された。さらに、デンマーク人系統のイングランドへの大規模な流入、スウェーデン人のバルト地域への流入、ノルウェー人のアイルランド、アイスランドおよびグリーンランドへの流入を示す証拠が得られた。バイキング時代には、ヨーロッパの他地域の系統のスカンジナビアへの大規模な流入があったことも見いだされた。今回の古代DNA解析の結果からは、バイキングの遠征に近縁な血縁者が含まれていたことも明らかになった。現代人集団との比較によって、色素沈着に関連する座位が過去1000年の間に強力な集団分化を経ていたことが示され、LCTのラクターゼ持続性対立遺伝子やANKAの免疫応答と関連付けられている対立遺伝子など、正の選択を受けた座位の痕跡と進化が詳細に明らかになった。我々は、バイキングの海洋進出が、異なる集団がヨーロッパのさまざまな地域のゲノム構成に影響を与え、スカンジナビアではヨーロッパの他地域との接触が増加していたという、地域をまたぐ大規模な関わりで特徴付けられると結論する。

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