量子物理学:超伝導準電荷キュービット
Nature 585, 7825 doi: 10.1038/s41586-020-2687-9
ジョセフソン接合の非散逸的非線形性によって、巨視的な超伝導回路を人工原子に変換することで、現状で最もよく制御されたキュービットのいくつかが実現されている。既知の超伝導キュービットには、単一電荷トンネリング(電荷キュービット)、単一磁束トンネリング(磁束キュービット)、位相振動(位相キュービットまたはトランズモン)という3つの基本的なタイプがあり、それぞれがクーパー対凝縮系における量子ゆらぎの独特な振る舞いを反映している。しかし、電荷と磁束の双対性は、回路原子が対を成す必要性を示唆している。本論文では、これまで見つかっていなかった超伝導キュービット「ブロッホニウム」について報告する。ブロッホニウムは、2πを超える位相ゆらぎの広がりから生じる、単一ジョセフソン接合のコヒーレントな絶縁応答を利用するものである。こうした効果の証拠は、高インピーダンスのリード線に接続された接合を通した平衡から離れた直流輸送において見いだされてきたが、広がった位相ゆらぎの存在については今のところ十分に意見が一致していない。極めて高いインダクタンスを用いた弱接合のシャントが、今回の実験における重要な技術革新であり、結果として得られたループを通る外部磁束の関数として、高周波励起スペクトルが測定された。この接合の絶縁特性は、基底状態と第一励起状態の間のキュービット遷移の磁束感度の消失として現れ、より高いエネルギー状態への遷移では急速に回復する。このスペクトルは、外部磁束をオフセット電荷に置き換えて超伝導相の代わりに新たな集団的準電荷という変数を導入する、トランズモンへのブロッホニウムの双対性マッピングと一致する。今回の知見は、超高インピーダンス回路における巨視的な量子ダイナミクスの研究の動機付けとなり、量子コンピューティングや計測学に応用できる可能性がある。

