光物理学:超音波検出のためのサブマイクロメートルのシリコン・オン・インシュレーター共振器
Nature 585, 7825 doi: 10.1038/s41586-020-2685-y
超音波検出器は、高周波音波を用いて物体の撮像や距離の測定を行うが、こうした撮像や測定の分解能は検出素子の物理的寸法によって制限されている。点状の広帯域超音波検出によって、超音波検査や光音響撮像の分解能を大幅に向上できるが、例えば医用撮像用のものなど、現行の超音波検出器は十分に小型化できていない。圧電変換器はサイズを縮小すると感度がその2乗に比例して低下し、マイクロリング光共振器やファブリー・ペロー・エタロンでは光を約50 μm未満の寸法に適切に閉じ込めることができない。微細加工方法を用いて容量型変換器アレイや圧電変換器アレイが作られているが、帯域幅はわずか数メガヘルツであり、寸法は70 μmを超える。今回我々は、汎用性の高いシリコン・オン・インシュレーター技術を用いて、センシング領域がわずか220 nm × 500 nmの小型超音波検出器を開発した。このシリコン・オン・インシュレーターに基づく光共振器設計で得られる面積当たりの感度は、マイクロリング共振器の1000倍、圧電検出器の1億倍に上る。また、今回の設計では、−6 dBで230 MHzに達する非常に広い検出帯域幅が可能になった。我々は、超高密度アレイ形式での製造に適した検出器を作製したことに加えて、サブマイクロメートルのセンシング領域によって超解像性能の検出と撮像が可能になることを示す。我々はまた、検出される超音波の波長の50分の1のサイズの特徴を撮像できることを実証する。今回の検出器によって超音波測定の超小型化が可能になり、これによって、光学顕微鏡法に匹敵する分解能での超音波撮像が可能になるとともに、シリコンチップ上で超高密度超音波アレイを開発できる可能性がある。

