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光物理学:有機発光デバイスにおける安定性と輝度のプラズモン増強
Nature 585, 7825 doi: 10.1038/s41586-020-2684-z
固体材料における電磁波と自由電子の共鳴相互作用を研究する分野であるプラズモニクスは、プラズモニック材料中で一般に生じる大きな損失のため、まだ大規模な商業的応用には至っていない。有機発光デバイス(OLED)は、彩度が高く、フォームファクターが汎用的で、消費電力が低いことから極めて多数の市販デバイスに組み込まれているが、効率と安定性の観点ではまだ改善の余地がある。有機蛍光体を組み込んだOLEDでは、電荷から光への内部変換率1が達成されているが、屈折率コントラストのせいで、デバイス外部で観測可能な光子の割合が約25%まで低下する。その上、OLEDの動作中に、ゆっくりと減衰する三重項励起子と電荷が局所的に蓄積することで、デバイスの輝度がエージングと呼ばれる過程で次第に低下し、これによってディスプレイに「バーンイン」効果が生じる場合がある。デバイスの効率と安定性を同時に向上させることは、OLED技術にとって最も重要である。今回我々は、ナノ粒子を用いたアウトカップリング方式を導入してプラズモンモードからエネルギーを抽出することによって効率を維持しつつ、プラズモン系の減衰速度の増大を利用してデバイスの安定性を向上させたOLEDを実証する。我々は、典型的な蛍光発光体を用いて、基準とした従来型デバイスと同じ輝度で動作安定性を2倍向上させると同時に、プラズモンモードから16%のエネルギーを光として抽出した。OLEDの安定性を向上させる今回の手法は、材料に特化した設計を回避するとともに、照明パネル、テレビ、モバイルディスプレイに現在使用されている市販の全てのOLEDに適用できる。

