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ウイルス学:エンベロープタンパク質のユビキチン化がジカウイルスの侵入と病原性を促進する
Nature 585, 7825 doi: 10.1038/s41586-020-2457-8
ジカウイルス(ZIKV)はフラビウイルス科(Flaviviridae)に属し、ヒトで疾患を引き起こす他のフラビウイルスに近縁である。ZIKV感染は他のフラビウイルスとは異なり、先天性神経障害を引き起こすことがあり、ZIKVは生殖組織で効率的に複製する。今回我々は、ZIKVのエンベロープタンパク質(E)が、E3ユビキチンリガーゼであるTRIM7によるLys63(K63)結合型ポリユビキチン化により、ポリユビキチン化されていることを示す。そのため、Trim7−/−マウスの脳や生殖組織ではZIKVはあまり効率的に複製しない。ユビキチン化されたEは、ZIKVの感染性ウイルス粒子が特定のタイプの細胞から放出される時にそれらのウイルス粒子上に存在し、ウイルスの細胞への付着や侵入を高める。具体的には、K63結合型ポリユビキチン鎖が宿主細胞のTIM1(別名HAVCR1)受容体と直接相互作用し、これが、細胞内やin vivoの脳組織内へのウイルスの侵入を高める。ユビキチン化が起こらない組換えZIKV変異体は、ヒト細胞や野生型マウスでは弱毒化されていたが、生きた蚊では変化がなかった。K63結合型ポリユビキチンに対するモノクローナル抗体は、ZIKVを特異的に中和し、また、マウスのウイルス血症を軽減した。我々の結果から、ZIKV Eのユビキチン化がウイルスの侵入、向性、病原性の重要な決定要因であることが実証された。

