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地球化学:超深部ダイヤモンドに記録されたリソスフェアから下部マントルへの炭素循環

Nature 585, 7824 doi: 10.1038/s41586-020-2676-z

地球のマントル内部への炭素の輸送は地球の炭素循環の重要な経路であり、気候と、地表とマントルの酸化還元条件の両方に影響を及ぼす。炭素循環における最も大きな絞り込まれていない変数は、堆積層と変成した海洋地殻において炭素が沈み込み得る深さと、こうした貯蔵庫の深部マントルでの炭素隔離への相対的な寄与である。リソスフェア下部のダイヤモンド、すなわち「超深部」ダイヤモンド(深さ250 km以深由来)の鉱物包有物を用いて、こうした変数を絞り込むことができる。本論文では、ギニアのカンカンで産出した、リソスフェアから下部マントル(660 km以深)までの深さに由来するダイヤモンド中の鉱物包有物の酸素同位体測定の結果を提示する。これらのデータは、ダイヤモンドの炭素同位体と窒素同位体の含有量と組み合わせると、堆積層ではなく炭酸塩化した火成岩の海洋地殻が、リソスフェア深部と遷移層の深さ(660 km以浅)まで沈み込んだスラブにおける主要な炭素貯蔵庫であることを示している。この深さ領域では、リソスフェア下部の包有物は、地殻原岩由来のエクロジャイト的なリソスフェア包有物と比べて明らかに18Oに富んでいた。これらのリソスフェア下部の包有物に多く含まれている18Oは、炭酸塩に富む沈み込んだ海洋地殻のメルトの結晶化に起因する。対照的に、下部マントルの鉱物包有物とその母岩であるダイヤモンド(660 km以深)に含まれる同位体の値は範囲が狭く、地殻との相互作用がほとんど、あるいは全くなかったマントルに典型的な値であった。還元的で揮発性物質が枯渇した下部マントルでは、炭素はダイヤモンド内ではなく金属内に保たれるため、下部マントルでダイヤモンドを形成するには炭素は移動して濃縮される必要がある。今回のデータは、沈み込む海洋リソスフェアによる下部マントル最上部の含水化によって、周囲のマントルの安定同位体の特徴を乱すことなく、炭素を含む金属が不安定化してダイヤモンドが形成されるというモデルを裏付けている。こうした、遷移層における炭酸塩スラブの融解から下部マントルにおけるスラブの脱水化への推移は、下部マントルが炭素の沈み込みの障壁となっていることを裏付けている。

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