電気工学:より持続可能な冷却のための、マイクロ流体工学とエレクトロニクスの協調設計
Nature 585, 7824 doi: 10.1038/s41586-020-2666-1
熱管理は、将来のエレクトロニクスの主要な課題の1つである。データ生成と通信の速度がますます速くなっていることに加え、産業用変換器システムのサイズとコストの低減が絶えず進められていることから、エレクトロニクスの電力密度が増大している。その結果、エネルギーと水の大量消費を伴う冷却による環境への影響がますます大きくなっており、より持続可能な(つまり、必要な水とエネルギーの少ない)方法で熱を除去するための新たな技術が求められている。液体冷却システムをチップの内部に直接埋め込むことは、より効率の良い熱管理の方法として有望である。しかし、最先端の手法であってもエレクトロニクスと冷却は別個に扱われており、埋め込み型の冷却システムの潜在的な省エネルギー能力はまだ十分に利用されていない。本論文では、同一の半導体基板内でのマイクロ流体工学とエレクトロニクスの協調設計によって、モノリシックに集積された多岐管マイクロチャネル冷却構造を製造でき、その効率が現在利用可能な冷却システムの効率を超えられることを示す。得られた結果は、わずか0.57 W cm−2のポンプ電力を用いて、1.7 kW cm−2を超える熱流束を除去できることを示している。我々は、1 kW cm−2を超える熱流束の単相水冷において、前例のない(1万を超える)成績係数を観測した。これは直線的なマイクロチャネルの成績係数の50倍に相当し、平均ヌセルト数は16と非常に高い。今回提案した冷却技術によって、エレクトロニクスのさらなる小型化が可能になると見られ、ムーアの法則が延命され、エレクトロニクスの冷却におけるエネルギー消費が大幅に削減できる可能性がある。さらに今回の手法では、大型の外部ヒートシンクの必要性が取り除かれており、これによって単一チップ上に集積された超小型電力変換器の実現が可能になるはずである。

