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大気化学:人工衛星を用いたイソプレンの測定による排出量と大気酸化の絞り込み
Nature 585, 7824 doi: 10.1038/s41586-020-2664-3
イソプレンは、大気中に排出される主要な非メタン有機化合物で、オゾンとエアロゾルの生成を促進し、大気酸化を調節し、全球の窒素循環と相互作用している。イソプレンの排出量は、イソプレンとその主なシンクであるヒドロキシルラジカル(OH)を結び付ける非線形化学と同様に、非常に不確かである。本論文では、クロストラック赤外線サウンダーを用いて宇宙から得られた、全球のイソプレン測定結果を示す。イソプレンの酸化生成物であるホルムアルデヒドの観測結果と合わせて、今回の測定結果から、イソプレンの排出量と大気酸化が絞り込まれた。宇宙から測定されたイソプレン–ホルムアルデヒドの関係は、イソプレン–OH化学の現在の理解とおおむね一致しており、低窒素酸化物濃度でのOHリサイクリングの欠落を示す兆候は見られなかった。我々は、全球に4か所あるイソプレンホットスポットについて一連のデータセットをモデル予測に関連させて分析し、人工衛星によるイソプレン自体の測定結果に直接基づいてイソプレン排出量を定量化した結果を示す。アマゾン川流域では、測定結果とモデル予測の間に大きな不一致が見られ、これは、この地域では現在、窒素酸化物の自然放出量が過小評価されていて、OH、ひいてはイソプレンのモデル化が偏っているためと考えられる。アフリカ南部では、複数のボトムアップ予測において顕著なイソプレンホットスポットが欠落していることが分かった。複数年の分析によって、イソプレンの年々変動が浮き彫りになり、エルニーニョ/南方振動の影響が示唆された。

