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天体物理学:マゼラン雲流の形成のカギとなるマゼラン雲コロナ

Nature 585, 7824 doi: 10.1038/s41586-020-2663-4

銀河系のハローにおいて支配的なガス構造は、マゼラン雲流である。この中性のフィラメントと電離したフィラメントからなる広大なネットワークは、銀河系の伴銀河のうち最も質量が大きい大マゼラン雲(LMC)と小マゼラン雲(SMC)を取り囲んでいる。最近の観測からは、LMCとSMCが銀河系周辺を初めて通過している途中であること、マゼラン雲流がLMCとSMCの両方から剝ぎ取られたガスでできていること、そしてこのガスの大部分が電離していることが示されている。マゼラン雲流の形成には潮汐力とラム圧剝ぎ取りが寄与したと長らく考えられてきたが、これまでのモデルではその起源を完全に解明することができなかった。マゼラン群に関連する矮小銀河の発見、LMCの大質量の決定、LMC内の星付近の強く電離したガスの検出、宇宙論的なシミュレーションの予測を含むいくつかの最近の進展から、LMC周辺の高温(約50万K)の電離したガスのハロー(「マゼラン雲コロナ」)の存在が裏付けられている。本論文では、銀河系に落下しているマゼラン雲の流体力学的シミュレーションにこのマゼラン雲コロナを含めると、マゼラン雲流とそのリーディングアームを再現できることを報告する。今回のシミュレーションによって、マゼラン雲流のフィラメント状構造、空間的な広がり、視線方向の速度勾配、電離ガスの全質量が説明された。我々は、マゼラン雲コロナは、LMC付近に位置する背景クエーサーの紫外スペクトル中の強く電離した吸収線によって明確に観測できると予想する。

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