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生化学:CDK阻害剤CR8は分子接着性分解因子として働き、サイクリンKを枯渇させる
Nature 585, 7824 doi: 10.1038/s41586-020-2374-x
分子接着性化合物(分子糊)はタンパク質–タンパク質相互作用を誘導し、ユビキチンリガーゼの存在下では、タンパク質の分解を引き起こす。このような分子接着性分解因子は、従来の酵素阻害剤とは違って準化学量論的に作用し、それまでは接近しにくかった標的の急速な枯渇を引き起こす。このような化合物は臨床的に効果があり、需要は高いが、これまでは思わぬ発見によって得られるだけだった。今回我々は、体系的な探索用データベースを用いて、数百に上るヒトがん細胞株にわたって4518の小型の臨床分子と前臨床分子の細胞毒性とE3リガーゼ成分の発現レベルとの相関性を調べ、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤の1つであるCR8が、分子接着性分解因子として働く化合物であることを突き止めた。CR8のCDK結合型には溶媒に露出したピリジル部分があり、これがCDK12–サイクリンKとCUL4アダプタータンパク質DDB1の複合体形成を引き起こすため、基質受容体の必要性が回避され、サイクリンKをユビキチン化とその後の分解へと向かわせる。この研究により、タンパク質の表面に露出した部分を化学的に変化させることによって阻害剤に接着特性という機能を獲得させられることが実証された。これは、標的結合機能を持つ分子を分子糊に作り変えるためのより幅広い戦略となると我々は考える。

