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生化学:膜を貫通するタンパク質ポアの計算機による設計

Nature 585, 7823 doi: 10.1038/s41586-020-2646-5

膜貫通型チャネルやポア形成タンパク質は、基本的な生物学的過程やバイオテクノロジーへの応用(DNAナノポアシークエンシングなど)に重要な役割を担っているため、ポアを含むタンパク質の設計には大きな関心が持たれている。両親媒性の合成ペプチドはイオンチャネルを形成することが知られている。また最近では、膜タンパク質のde novo設計や、チャネルを含む天然タンパク質の設計変更にも進歩が見られている。しかし、イオンを選択的に透過させることができる、あるいは低分子量の蛍光色素分子を透過させるのに十分な大きさがあるような、安定で性質がよく分かっている膜貫通型タンパク質ポアのde novo設計は、いまだに非常に難しい。今回我々は、同心円状の2つのαヘリックス環からなり、水溶性の型でも、膜に埋め込まれた型でも安定で、単分散粒子として存在するタンパク質ポアを計算機で設計した。ヘリックス12本からなるポアと16本からなるポアの水溶性型の結晶構造は共に、計算機で設計したモデルとよく一致していた。パッチクランプ法による電気生理学実験によって、ヘリックス12本からなるタンパク質ポアの膜貫通型は、昆虫細胞で発現させるとイオンを透過させ、ナトリウムよりもカリウムの方に高い選択性を示すことが明らかになった。加えて、ポアの入口部分を特異的に化学修飾するとイオンの透過が妨げられた。ヘリックス16本からなるタンパク質ポアは、in vitroタンパク質合成系を用いてリポソームに取り込ませると、ビオチン化Alexa Fluor 488を透過させることが分かった(ヘリックス12本からなるポアは透過させない)。このヘリックス16本からなるポアのクライオ電子顕微鏡構造は、設計モデルとよく一致した。構造と機能が詳細に判明している膜貫通型タンパク質ポアを作製できたことで、さまざまに応用可能なチャネルやポアの設計、創出に道が開けることになるだろう。

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