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構造生物学:CXCケモカイン受容体2の活性化とシグナル伝達の構造基盤
Nature 585, 7823 doi: 10.1038/s41586-020-2492-5
ケモカインとその受容体は細胞の移動に関わっており、細胞の移動は多数の重要な生物過程、また炎症やがんのような疾病状態に影響を及ぼす。ケモカイン受容体や受容体–ケモカイン間の認識の構造研究には多くの努力がなされてきたが、内在性のケモカインが誘導する受容体活性化とGタンパク質との共役についてはそれほど知られていない。今回我々は、インターロイキン8(IL-8、別名CXCL8)によって活性化されたヒトCXCケモカイン受容体2(CXCR2)のGiタンパク質との複合体のクライオ電子顕微鏡構造を、設計して作ったアロステリックアンタゴニストに結合したCXCR2の結晶構造とともに示す。これらの結果から、CXCL8とCXCR2の間の独特な浅い結合様式が示され、CXCR2とGiタンパク質との結合も明らかになった。CXCR2の不活性状態と活性状態の構造をさらに解析したところ、ケモカイン受容体の独特な活性化過程と小分子による競合的な拮抗作用が明らかになった。加えて、これらの結果から、Gタンパク質共役受容体が内在性のタンパク質分子によって活性化される仕組みについての知見が得られた。この知見は、ケモカイン系を標的とし、より優れた薬理学的プロファイルを持つ治療薬の合理的な開発を助けるだろう。

