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構造生物学:TRPA1受容体の刺激薬により引き起こされる活性化とカルシウムによる調節

Nature 585, 7823 doi: 10.1038/s41586-020-2480-9

TRP(transient receptor potential)イオンチャネルであるTRPA1は一次求心性神経繊維で発現され、そこで構造的に多様な求電子性刺激物質の低閾値センサーとして機能しており、こうした刺激物質には小分子の揮発性環境毒物や疼痛を引き起こす内在性脂質などが含まれる。TRPA1は「受容体作動性」チャネルでもあり、代謝調節型受容体の下流でのその活性化は炎症性疼痛や痒みを引き起こすので、新規鎮痛薬の標的として関心を集めている。しかし、TRPA1が求電子剤や細胞質セカンドメッセンジャーを認識して応答する機構は、まだ分かっていない。今回我々は、構造学的研究と電気生理学的手法を用いて、求電子剤の作用は二段階の過程で起こり、まず極めて反応性の高いシステイン残基(C621)の修飾が細胞質側のループの再配置を促進して求核性を増強し、さらに近傍のシステイン(C665)の修飾により、ループが活性化構造で安定化されることを示す。これらの作用により、選択性フィルターが広がることによるカルシウム透過性上昇と、ポアの細胞質側末端にあるカノニカルなゲートの開口という、イオン透過を制御している2つの制約が調整される。我々は、求電子剤の作用とこれらの制御ポイントの間の機能的共役を説明できるモデルを提案する。また、TRPチャネルの複数のサブタイプにわたって高度に保存されていて、代謝型受容体による増強作用や脱感作、活性化などのカルシウム依存性TRPA1調節の全ての性質に関わるカルシウム結合ポケットの特性を調べた。これらの知見は、広域刺激物質受容体が、疼痛や痒みを誘発または悪化させる内因性や外因性の物質により制御される仕組みを理解するための構造的枠組みを提供するものだ。

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