Article

量子物理学:カー猫キュービットの安定化と操作

Nature 584, 7820 doi: 10.1038/s41586-020-2587-z

巨視的に異なる古典状態の量子重ね合わせ(いわゆるシュレーディンガーの猫状態)は、量子計測、量子通信、量子計算の情報資源となる。特に、発振器における、位相が逆の2つのコヒーレント状態の重ね合わせは、位相反転誤りから保護されたキュービットを符号化する。しかし、この概念を実用化して、誤りから保護された量子情報の符号化と操作を可能にするには、いくつかの難題を克服する必要がある。こうした保護は、これらの高度に励起された状態を安定化することにで維持される必要があり、同時にこの系は、符号化されたキュービットの高速ゲートと、符号化された情報の量子非破壊読み出しに適合していなければならない。今回我々は、超伝導マイクロ波共振器におけるカー非線形性と単一モードスクイージングの相互作用に基づいて、シュレーディンガーの猫状態を生成し安定化する方法を実験的に実証する。この方法で安定化され、誤りから保護されたキュービットの横緩和時間は、単一光子のフォック状態による符号化に比べて1桁以上長くなった。さらに我々は、単一キュービットの全ゲート操作を、最も短いコヒーレンス時間より60倍以上速い時間スケールで行い、安定化により保護されたキュービットのシングルショット読み出しを実証した。今回の結果は、安定化された巨視的状態に固有の、高速量子制御と誤りに対するロバスト性の組み合わせを提示するとともに、これらの状態の量子情報処理の情報資源としての可能性を示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度