Article

天文学:初期宇宙の力学的に冷たい円盤銀河

Nature 584, 7820 doi: 10.1038/s41586-020-2572-6

初期宇宙を特徴付ける極端な天体物理学的な過程と条件は、現在観測されている銀河とは力学的に異なる若い銀河を生じさせると予想される。これは、銀河の合体や超新星爆発に伴う強力な効果によって、若い星形成銀河の大半が、力学的に熱くカオス的で非常に不安定な状態になると考えられるからである。本論文では、宇宙がわずか14億歳であった時代に当たる赤方偏移z = 4.2に位置する銀河に、力学的に冷たいが活発に星形成する回転円盤が存在することを報告する。この銀河SPT–S J041839–4751.9は、z = 0.263に位置する前景の銀河によって強い重力レンズ効果を受けており、塵に富んだ典型的なスターバースト銀河であって、その全体的な星形成と塵の特性は、現在の数値シミュレーションや観測結果と一致している。空間分解能が約60パーセクの干渉計撮像観測から、ランダム運動に対する回転運動の比が9.7 ± 0.4と示された。この値は、この時代のあらゆる銀河進化モデルから予測される比の少なくとも4倍だが、局所宇宙における渦巻銀河の比とは同程度である。導出された回転曲線は、近傍の大質量渦巻銀河に典型的な形状を有しており、これは、少なくとも一部の若い銀河は、局所宇宙に観測される若い銀河と力学的に類似していて、極端な物理的過程による影響はわずかだったことを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度