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ナノスケール材料:バックリング構造を持つグラフェン超格子におけるフラットバンドと相関状態の証拠
Nature 584, 7820 doi: 10.1038/s41586-020-2567-3
二次元原子結晶は、基板の配向やひずみなどの外的影響に応答して特性が激変する場合があるため、新規電子構造を有する材料となり得る。例えば、2層グラフェンにおいて、2層の向きがなすねじれ角が特定の「魔法」角となる場合、分散が弱い「フラット」バンドが形成される。こうしたフラットバンドにおける運動エネルギーの消失によって、電子–電子相互作用が促進され、超伝導や相関絶縁体などの強相関相の発現が促される。しかし、ねじれ2層グラフェンで魔法角を実現するには、非常に正確な微調整が必要であるため、作製やスケーラビリティーにとって課題となっている。今回我々は、微調整を行わずにフラットバンドを形成する代替的手法を報告する。我々は、走査型トンネル顕微分光法と数値シミュレーションを併用して、原子レベルで平坦な基板上に配置した単層グラフェンに強制的にバックリング(座屈)転移を起こさせることで、周期的に変調した擬似磁場を生成でき、ひいてはこうした磁場によって、フラット電子バンドを持つ「ポストグラフェン」材料が創製されることを実証する。静電ドーピングを用いてこうしたフラットバンドにフェルミ準位を導入したところ、擬ギャップ様の状態密度の減少が観測された。これは、相関状態の発現を示している。こうした二次元結晶のバックリングからは、他の超格子系の創製や、特にフラットバンドに特有の相互作用現象の探索に向けた戦略が得られる。

