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生物地球化学:熱帯林における実験的温暖化による土壌炭素損失

Nature 584, 7820 doi: 10.1038/s41586-020-2566-4

熱帯の土壌には、全球の土壌に貯蔵されている炭素の3分の1が含まれている。そのため、今世紀に熱帯地域で予測されている温暖化によって生じる土壌有機物の不安定化は、より多くの二酸化炭素(CO2)を大気中へと放出し、気候変動を加速する可能性がある。理論的には、熱帯地域で温暖化によって生じる炭素損失は、より高緯度の地域での炭素損失に比べてわずかだと予測されているが、これを検証する熱帯林での温暖化実験はこれまで行われてこなかった。本論文では、パナマのバロ・コロラド島における低地熱帯林土壌のin situ実験的温暖化によって、土壌のCO2排出量が予想以上に大きく増大したことを示す。土壌全体を2年にわたり4°C温暖化させたところ、CO2排出量は周囲温度の土壌と比べて55%増大した。増えたCO2は、独立栄養源ではなく従属栄養源に由来し、その量は土壌有機物の分解による1 ha当たり年間8.2 ± 4.2(1標準誤差)炭素トンの損失と同等であった。実験期間を通して、呼吸速度の順化も、温度補償や酵素活性の温度感受性の変化も、微生物の炭素利用効率の変化も検出されなかった。今回の結果は、熱帯林の土壌炭素は温暖化に対して非常に敏感であり、気候変動に対してかなり大きな正のフィードバックをもたらす可能性があることを示している。

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