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化学:アリール転位による二窒素と炭化水素のカップリング

Nature 584, 7820 doi: 10.1038/s41586-020-2565-5

炭化水素や大気中の窒素(N2)などの豊富に存在する分子の活性化は、こうした分子が不活性なことが多いため、いまだに課題となっている。N2から炭素–窒素結合を形成するには、一般に反応性有機前駆体が必要だが、そうした前駆体はN2の反応性を高める還元性条件に適合しないため、触媒反応が阻まれてきた。今回我々は、ジケチミナートに担持された鉄の系が、ベンゼンとN2を逐次的に活性化してアニリン誘導体を形成することを報告する。このカップリング反応のカギは、還元された鉄–二窒素錯体の部分的シリル化と、その後のベンゼン由来アリール基の窒素への転位である。さらなる還元によってN2由来のアニリンが切り離され、生成された鉄種はサイクル経路に再び入ることができる。具体的に我々は、ナトリウム粉末、クラウンエーテル、トリメチルシリルブロミド、N2(窒素源として)の混合物を用いて、合成の容易なジケチミナート鉄ブロミド錯体が、石油由来の数種のアレーン(芳香族炭化水素)から、対応するシリル化アニリン誘導体へのワンポット変換を媒介することを示す。このサイクル経路に沿って多くの化合物の単離と結晶学的特性評価が行われ、それらの反応性から、逐次的な炭化水素活性化とN2官能基化の機構が裏付けられた。今回の戦略は、N2の窒素原子と豊富に存在する炭化水素のカップリングを実現するとともに、将来の触媒系への道筋を描くものである。

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