Article

構造生物学:代謝型GABAB受容体の構造

Nature 584, 7820 doi: 10.1038/s41586-020-2469-4

代謝型GABAB受容体がγ-アミノ酪酸(GABA)による刺激を受けると、神経伝達の長時間にわたる阻害が起こり、これは脳の生理にとって重要である。GABABは、Gタンパク質共役受容体のCファミリーに属し、二量体として機能して、ヘテロ三量体Gタンパク質への結合と活性化を介してシナプスの神経伝達シグナルを細胞応答へと変換する。しかしGABABは恒常的にヘテロ二量体として機能する点が独特であり、ヘテロ二量体へのアゴニスト結合とGタンパク質活性化は異なるサブユニットで起こる。今回我々は、それぞれヘテロ二量体とホモ二量体である完全長GABAB受容体のクライオ電子顕微鏡構造を示す。細胞内シグナル伝達測定と原子論的シミュレーションを、これらの構造と合わせて補完的に使うことで、GABABの細胞外ループ2(ECL2)が、細胞外リガンド結合ドメインを膜貫通領域と連結するリンカーを秩序化することによって、構造移行の伝達に必須の役割を果たしていることが明らかになった。さらに、GABABの各サブユニットのECL2が、膜貫通ドメインの細胞外にある半分を占拠しているリン脂質の親水性頭部を覆うように結合していて、それによってGタンパク質に結合している受容体コアとリガンド結合との間が連結されている(これは重要と思われる)ことも分かった。これらの結果は、GABAB二量体によって仲介されるシグナル伝達の機構様式を解明するための出発点となる枠組みを提供するものであり、これらの受容体を標的とする薬剤の合理的設計にも重要な関わりを持つ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度