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人類の移動:アメリカ先住民からポリネシア人への遺伝子流動はイースター島の人類定着より前だった
Nature 583, 7817 doi: 10.1038/s41586-020-2487-2
先史時代のポリネシア人集団とアメリカ先住民集団の間の航海を介した接触の可能性は、古くから興味深い研究対象であった。この説は、サツマイモやユウガオなどの新世界作物が、コロンブス以前の南北アメリカの外では唯一、ポリネシアの考古学的記録に見られることから支持されているが、これらの植物の分散には人類の媒介は必要なかったという批判的意見もある。ノルウェー人探検家トール・ヘイエルダールは、先史時代の南米人集団が東ポリネシア、特にイースター島(ラパ・ヌイ)の人類定着において重要な役割を果たしたと提唱して物議を醸した。これに関しては数件の限定的な分子遺伝学的研究が行われてきたが、得られた結論は相反するもので、南米人とポリネシア人との関連可能性については、この説が最初に提案された当時と変わらず現在も激しく議論されている。今回我々は、ポリネシアの島々の17集団および太平洋沿岸のアメリカ先住民15集団の計807人において、ポリネシア全域の島民に見られるゲノム規模の多様性を解析し、アメリカ先住民との遺伝的混合の痕跡を探った。その結果、ポリネシア人とアメリカ先住民の間の先史時代(紀元1200年頃)の接触を示す決定的な証拠が得られた。これはリモートオセアニアの人類定着と同時期である。今回の解析結果は、ポリネシア人と現在のコロンビアの先住民に最も近縁なアメリカ先住民集団の間の、東ポリネシアにおける単一の接触事象が、ラパ・ヌイの人類定着より前に起きていたことを強く示唆している。

