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物性物理学:固体中の価電子のレーザーピコスコピー
Nature 583, 7814 doi: 10.1038/s41586-020-2429-z
価電子の物質の総電子密度に占める割合はわずかだが、物質の本質的な化学的特性、電子的特性、光学的特性は価電子によって決まる。強いレーザー場によって、気相中で原子価軌道の電子やそれらのダイナミクスを調べることができる。これまでのレーザーによる固体研究では、高調波放射が結晶格子中の原子の空間配置と関連付けられるとともに、テラヘルツ場を用いて原子間ポテンシャル力が調べられてきた。しかし、固体中の価電子をピコメートルスケールで直接画像化することは、まだ困難である。今回我々は、結晶固体と相互作用する高強度光場によって、価電子をピコメートルスケールで画像化できるようになる可能性があることを示す。価電子を結晶中に束縛し続ける場に匹敵する強さの高強度レーザー場は、準自由電子運動を生じさせることができる。結晶ポテンシャルによる価電子の非線形散乱によって生じるレーザー場の高調波には、価電子構造のピコメートルスケールの実空間マッピングを可能にする重要な情報が含まれている。我々は、高調波を用いて、フッ化マグネシウムとフッ化カルシウムの結晶中の原子価ポテンシャル像と電子密度像を、約26 pmの空間分解能で再構築した。今回の価電子のピコメートルスケールの画像化によって、物質の化学的特性、電子的特性、光学的特性、トポロジカル特性を直接調べることができるようになる可能性がある。

