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腫瘍生物学:好中球細胞外トラップのDNAはCCDC25を介してがん転移を促進する
Nature 583, 7814 doi: 10.1038/s41586-020-2394-6
好中球細胞外トラップ(NET)は、顆粒タンパク質で覆われたクロマチンDNAフィラメントで構成されていて、好中球から放出され、微生物を捕捉する。最近の研究から、マウスモデルにおいて、NETのDNA構成要素(NET-DNA)ががん転移に関連していることが示唆されている。しかし、がん患者の転移におけるNET-DNAの機能的役割や臨床的重要性は分かっていない。今回我々は、乳がんと大腸がんの患者の肝転移ではNETが豊富に見られ、また血清NETが早期乳がん患者での肝転移の発生を予測できることを示す。NET-DNAは、単にがん細胞の「トラップ」として機能するのではなく、がん細胞を誘引する走化性因子として機能する。いくつかのマウスモデルでは、肝臓あるいは肺のNETががん細胞を誘引して遠隔転移を形成することが分かった。我々は、膜貫通タンパク質CCDC25ががん細胞のNET-DNA受容体であることを突き止めた。CCDC25は細胞外DNAを感知し、続いてILK–β-パルビン経路を活性化して細胞の運動性を高める。NETを介した転移は、CCDC25ノックアウト細胞では起こらなかった。臨床的には、原発性がん細胞におけるCCDC25の発現と患者の予後不良との密接な関連が示された。まとめると我々は、NET依存性転移を仲介する膜貫通DNA受容体を明らかにし、CCDC25の標的化ががん転移を防ぐための魅力的な治療戦略となる可能性を示している。

