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神経科学:マウスのトーパーを調節するニューロン
Nature 583, 7814 doi: 10.1038/s41586-020-2387-5
体温と代謝の継続的な恒常的調節によって達成される内温性の出現は、哺乳類と鳥類の進化を決定付ける特徴である。しかし、哺乳類の多くの種は、食物欠乏あるいは過酷な環境条件に直面すると、トーパー(鈍麻状態)や冬眠など、エネルギーを節約する適応生存戦略を開始して、その間、体温は恒常性設定値よりもはるかに低い値まで下がる。恒温性の哺乳類がこれらの低体温状態を開始および調節する仕組みはほとんど分かっていない。今回我々は、マウスのトーパー(絶食によって誘導される状態で、代謝率が大幅に低下して体温が20°Cまで低下する)への進入が、視床下部の内側視索前野および外側視索前野のニューロンによって調節されていることを示す。カロリーが制限されていないマウスでも、以前のトーパーの際に活性化されたニューロンを再刺激するだけで、トーパーの主要な特徴が開始されることが分かった。我々は、これらのニューロンの中に、グルタミン酸作動性Adcyap1陽性細胞の集団を特定した。この細胞集団の活性によってマウスがトーパーを自然に開始したり脱出したりする時期が正確に決定され、この細胞集団を抑制すると、トーパーへの進入、維持、覚醒の自然な過程が障害される。以上の結果より、トーパーの中心的な調節因子として機能する、マウス視床下部の特定のニューロン集団が明らかになった。この研究は、極端な低体温および低代謝の状態を調節する機構や回路についての今後の探求の基盤となり、恒温動物の生物学的性質におけるこれらの太古の適応の監視、開始、操作、研究を可能にする。

