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海洋生物学:深海の謎めいた粘液構造物をDeepPIVで解明する
Nature 583, 7814 doi: 10.1038/s41586-020-2345-2
多くの動物が複雑な構造物を構築して生存に役立てているが、動物が生成する材料のみで構築されている構造物は極めて少ない。海洋の中深層では、粘液性構造物が無数の動物によって容易に分泌され、多くの重要な機能を果たしている。しかし、深海での観察が困難なため、こうした粘液性構造物についてはほとんど明らかにされていない。これらの粘液性構造物の中でも、幼形類(オタマボヤ類)の「家」は自然の驚異であり、海洋の薄光層では巨大なオタマボヤ類が直径1 mを超えることもある濾過用の粘液構造物を分泌・構築している。本論文では、粘液構造物の三次元モデルを再構築するin situレーザー画像化法について報告する。これらのモデルによって、巨大オタマボヤ類の家の高分解能像が得られ、この家構造が食物捕捉および捕食回避で担っている役割が明らかになった。今回、海洋の至る所に見られる粘液構造物を研究するためのツールが得られたことで、自然界で最も複雑な構造物の一部の解明が可能になるだろう。

