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ゲノミクス:散発性の原発性免疫不全コホートの全ゲノム塩基配列解読

Nature 583, 7814 doi: 10.1038/s41586-020-2265-1

原発性免疫不全(PID)は、命に関わることが多い再発性の感染症、自己免疫、がんを特徴とし、診断や治療が非常に困難である。PIDの最も重症な例は小児期早期に特定されるが、ほとんどの患者は成人期に症状が現れ、通常は明らかな家族歴がなく、広範な免疫調節異常のさまざまな臨床表現型を示す(患者の約25%が自己免疫疾患を有し、アレルギーが広く見られ、最大10%がリンパ系悪性腫瘍を発症する)。そのため、散発性(つまり非家族性)のPIDでは遺伝子診断が困難であり、この疾患における遺伝学的な役割は明確に定義されていない。今回我々は、これらの課題に取り組むため、1318人の参加者からなる大規模なPIDコホートにおいて全ゲノム塩基配列解読を行った。PIDの発端者886人におけるゲノムのコード領域の解析から、これらの患者の10.3%では、単一遺伝子性PIDに関与する既知の遺伝子に、疾患を引き起こす変異が生じていることが分かり、ベイズ推定法(BeviMed)からは、IVNS1ABPなどのPID関連遺伝子候補が新たに複数特定された。ゲノムの非コード領域も調べたところ、疾患の原因に関与する調節領域の欠失が見つかった。さらに我々は、ゲノム規模の関連研究を行い、PIDに関連する座位を特定して、新規の高浸透度単一遺伝子性バリアントとありふれたバリアントがPTPN2およびSOCS1座位で共局在し、相互作用していることを示す証拠を見いだした。これによって、ありふれたバリアントが、PIDで観察されるさまざまな浸透度と表現型の複雑性に関与していることが説明され始めたことになる。このように、PIDの診断でのコホートに基づく全ゲノム塩基配列解読の手法の使用は、診断率を向上させ、ヒトの免疫応答性に影響を及ぼす主要な経路に関する我々の理解をさらに深めることができる。

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