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構造生物学:阻害剤nevanimibeが結合した四量体ヒトACAT1の構造
Nature 581, 7808 doi: 10.1038/s41586-020-2295-8
コレステロールは哺乳類細胞膜に必須の成分で、細胞膜の脂質の最大で50%を構成している。対照的に、小胞体ではコレステロールは脂質の5%にすぎない。小胞体の酵素であるステロールO-アシルトランスフェラーゼ1(別名アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ;ACAT1)は、長鎖脂肪酸をコレステロールへ運んでコレステリルエステルを生成させ、これらのコレステリルエステルは合体して細胞質中の脂肪滴となる。コレステロールが過剰な条件下では、ACTA1は小胞体の低いコレステロール濃度を維持することで、コレステロール恒常性に不可欠の役割を果たしている。ACAT1はまた、アルツハイマー病やアテローム性動脈硬化症、がんにも関与している。今回我々は、先天性副腎過形成の治療薬として臨床試験中のACAT1阻害剤であるnevanimibeと複合体を形成した、ヒトACAT1のクライオ電子顕微鏡構造を報告する。ACAT1ホロ酵素は、2つのホモ二量体からなる四量体である。各単量体は9本の膜貫通ヘリックス(TM)を含んでいて、そのうち6本(TM4–TM9)が空洞を形成し、そこにnevanimibeと内因性アシルCoA 1つが収まっている。この空洞には、以前に触媒活性に必須であることが突き止められたヒスチジンも含まれている。我々の構造データと生化学的解析の結果は、コレステロールエステル化の過程を説明する物理モデルを与えるだけでなく、nevanimibeとACAT1の間の相互作用の詳細も明らかにしており、これは関連する疾患を治療するためのACAT1阻害剤の開発を促進する可能性がある。

