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構造生物学:ヒトACAT1の触媒作用と基質特異性の構造基盤
Nature 581, 7808 doi: 10.1038/s41586-020-2290-0
膜結合型O-アシル基転移酵素(MBOAT)ファミリーに属するアシルCoA:コレステロールO-アシルトランスフェラーゼ(ACAT)は、アシル基1個をアシルCoAからコレステロールへと転移させてコレステリルエステルを形成する反応を触媒する。コレステリルエステルは、コレステロールが細胞内で貯蔵されたり、血漿中を運搬されたりする際の主要形態である。ACATは、アテローム性動脈硬化症やアルツハイマー病、がんといった疾患の治療のための薬剤標的候補として関心を集めている。今回我々は、ヒトACAT1二量体がさらに二量体を形成している状態のクライオ電子顕微鏡構造を示す。各プロトマーは、9個の膜貫通領域からなり、それらが細胞質側トンネルと膜貫通トンネルを取り囲んでいて、この2つのトンネルが合流する場所が触媒部位と推定される。構造を手掛かりにした変異解析によって得られた証拠から、アシルCoAは細胞質側トンネルを通って活性部位に入るが、コレステロールは膜貫通トンネルを通って側面から入ってくる可能性が示唆された。この構造的・生化学的な特徴付けは、ACAT1が不飽和アシル鎖を選好する理由を説明する助けとなり、MBOATファミリーの酵素の触媒機構についての手掛かりを与える。

