免疫学:TASLはTLR7–9によるIRF5活性化のためのSLC15A4結合アダプターである
Nature 581, 7808 doi: 10.1038/s41586-020-2282-0
Toll様受容体(TLR)は、病原体の認識や免疫応答の開始において重要な役割を担っている。今回我々は、全身性エリテマトーデスと関連付けられている遺伝子CXorf21がコードするこれまで特徴が明らかになっていなかったタンパク質が、エンドリソソーム輸送体SLC15A4と相互作用することを示す。SLC15A4はエンドリソソームのTLR装置の不可欠な構成要素であるが、これまであまり理解が進んでおらず、このタンパク質も自己免疫疾患に関連があるとされている。このI型インターフェロンによって誘導されるタンパク質「TASL(TLR adaptor interacting with SLC15A4 on the lysosome)」を、ヒトの初代免疫細胞および形質転換させた免疫細胞の両方で喪失させると、エンドリソソームのTLRアゴニストへの応答が見られなくなった。SLC15A4あるいはTASLを欠失させると、IRF経路の活性化が特異的に障害されたが、NF-κBやMAPKシグナル伝達には影響がなかった。これは、エンドリソソームにおけるリガンド認識やTLRへの結合が正常に起こったことを示している。TASLの広範な変異誘発により、TASLの局在化や機能がSLC15A4との相互作用に依存していることが実証された。TASLには保存されたpLxISモチーフ(pは親水性残基、xは任意の残基を表す)が含まれていて、このモチーフがIRF5の誘導と活性化を仲介する。この知見から、TASLはTLR7、TLR8、TLR9のシグナル伝達の自然免疫アダプターであることが示され、IRF3アダプターであるSTING、MAVS、TRIFとの明確な機構的類似性が明らかになった。TASLが、エンドリソソームのTLRをSLC15A4を介して転写因子IRF5に結び付ける構成要素であることが特定されたことで、これらのタンパク質の全身性エリテマトーデスへの関与についての機構的説明が得られた。

