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構造生物学:ヒトのジアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ1の構造と機構
Nature 581, 7808 doi: 10.1038/s41586-020-2280-2
ジアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)はトリアシルグリセロールを合成し、ヒトにおいて食餌からの脂肪の吸収や脂肪の貯蔵に必要である。DGAT1は膜結合型O-アシル基転移酵素(MBOAT)スーパーファミリーに属していて、このファミリーに属するメンバーは全ての生物界に見られ、脂質やタンパク質のアシル化に関与している。ヒトのDGAT1や哺乳類の他のMBOATファミリーのメンバーがそれらの基質を認識して、反応を触媒する仕組みは分かっていない。三次元構造が解明されていないことも、治療を目的とした合理的なDGAT1の標的化を妨げている。今回我々は、オレオイルCoA基質と複合体を形成したヒトDGAT1のクライオ電子顕微鏡構造を示す。DGAT1の各プロトマーには9本の膜貫通ヘリックスがあり、そのうちの8本は保存された構造的折りたたみを形成しており、我々はこれをMBOATフォールドと名付けた。DGAT1のこのようなMBOATフォールドは、高度に保存された触媒残基を取り囲む中空のチャンバーを膜内に形成している。このチャンバーには、脂肪酸アシルCoAとジアシルグリセロールという2つの基質に対してそれぞれ別の入口がある。DGAT1はホモ二量体あるいはホモ四量体として存在でき、この2つの形態は同様の酵素活性を持つ。DGAT1のN末端は隣接するプロトマーと相互作用し、これらの相互作用が酵素活性に必要である。

