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材料科学:短距離秩序と中エントロピー合金CrCoNiへのその影響
Nature 581, 7808 doi: 10.1038/s41586-020-2275-z
従来の金属合金は複数元素の混合物であり、微量元素の原子が固溶限界未満であればランダムに分布する傾向があり、固溶限界を超えていれば第2相を形成する傾向がある。最近、この考えは、多種主要元素合金という概念によって拡張されているが、それはこうした材料が、複数金属元素がおおむね等原子分率で混合された単相固溶体だからである。この材料群は、機械的特性が優れているため大きな関心を集めている。これらの材料は、三元系では中エントロピー合金、四元系や五元系では高エントロピー合金と呼ばれることが多く、この呼称は配置エントロピーの高さを示唆している。しかし、こうした固溶体が実際にどれほどランダムなのかは分かっておらず、コンピューターシミュレーションでは短距離秩序の影響が示唆されているものの、実験的には確認されていなかった。今回我々は、エネルギーフィルター透過型電子顕微鏡法を用い、中エントロピー合金CrCoNiにおいて短距離秩序に起因する構造的特徴を観察したことを報告する。そうした秩序を増大させると、積層欠陥エネルギーと硬度の両方が高くなった。これらの知見は、ナノメートルスケールの局所的秩序化の程度を熱機械的処理によって調整できることを示唆しており、これは中・高エントロピー合金の機械的特性を調整する新たな道を開くものである。

