化学:能動的機械学習を用いるCO2電極触媒発見の加速
Nature 581, 7807 doi: 10.1038/s41586-020-2242-8
世界のエネルギー需要の急速な増大や、二酸化炭素(CO2)を排出する化石燃料を再生可能資源に置き換える必要性から、断続的な太陽エネルギーや風力エネルギーの化学的貯蔵への関心が高まっている。特に魅力的なのが、CO2と再生可能エネルギーの両方を用いる、CO2の電気化学的還元による化学原料の生産である。より価値の高い多炭素生成物の生産を目的とする場合の主要なCO2還元電極触媒は銅であり、エチレン生産を目標とする際のプロセスは特に著しく改良されている。しかし、これまでに達成されたエネルギー効率と生産性(電流密度)は、コスト競争力のある価格でエチレンを生産するのに必要な値をまだ下回っている。今回我々は、密度汎関数理論計算と能動的機械学習を併用して特定したCu-Al電極触媒について報告する。この触媒は、これまで報告された中で最高のファラデー効率でCO2をエチレンにまで効率よく還元する。電流密度400 mA cm−2(1.5 V vs.可逆水素電極)で達成されたファラデー効率は80%を超え(純粋なCuでは約66%)、150 mA cm−2で達成されたカソード側(ハーフセル)のエチレン電力変換効率は55 ± 2%だった。計算機研究を行ったところ、Cu-Al合金には、効率的かつ選択的なCO2還元にほぼ最適な複数のCO結合部位と表面配向が存在することが示唆された。さらに、in situ X線吸収測定の結果からは、CuとAlによってC–C二量化を促進する好ましいCu配位環境が可能になることが明らかになった。今回の結果は、計算と機械学習が、従来の単一金属電極触媒の限界を超える多金属系の実験的探索を導くのに有用であることを示す好例である。

