ナノスケール材料:自己インターカレーションによる共有結合2D層状材料の作製
Nature 581, 7807 doi: 10.1038/s41586-020-2241-9
二次元(2D)材料によって、トポロジーや多体現象の物理を探る独特なプラットフォームが得られる。2D材料のファンデルワールス層間にインターカラントを挿入すると新しい特性が生まれる場合があるが、材料成長後のインターカレーションは、通常はアルカリ金属に限られてきた。今回我々は、2層遷移金属ジカルコゲニドの成長中に、その構成原子を自己インターカレートさせることによって、非常に薄い新たな共有結合材料が生成することを示す。我々は、この材料群を「ic-2D」と名付けた。ic-2Dの化学量論は、ファンデルワールス層間の八面体空孔サイトの周期的な占有パターンで規定され、その特性は、充填サイトの割合と空間配置を変化させることによって調整できる。我々は、金属の化学ポテンシャルが高い条件下で成長させることで、タンタル(Ta)をインターカレートした一連のTaxSyおよびTaxSeyを得た。これらには、Taを25%インターカレートしたTa9S16、Taを33.3%インターカレートしたTa7S12、Taを50%インターカレートしたTa10S16、Taを66.7%インターカレートしたTa8Se12(これはカゴメ格子を形成する)、Taを100%インターカレートしたTa9Se12が含まれる。これらのインターカレート相の一部では、強磁性秩序が検出された。さらに我々は、金属が豊富に存在する条件下で、自己インターカレートしたV11S16、In11Se16、FexTeyを成長させられることも実証する。今回の研究は、特性が化学量論や組成に依存する新種の2D材料を成長させる手法として自己インターカレーションを確立するものである。

