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光学・フォトニクス:ソリトンマイクロコムを用いる超並列コヒーレントレーザー測距

Nature 581, 7807 doi: 10.1038/s41586-020-2239-3

コヒーレント測距は、周波数変調連続波(FMCW)レーザーに基づく光検出・測距(lidar;ライダー)とも呼ばれ、自動運転において長距離にわたる三次元距離・速度測定に用いられている。FMCWライダーは、周波数チャープ波形を用いて周波数に対する距離をマッピングすると同時に、反射レーザー光のドップラーシフトを測定するもので、ソナーやレーダーと類似している。また、コヒーレントな検出のため、太陽光や他のライダーシステムからの干渉が妨げられる。しかし、コヒーレント測距は、個別レーザーのアレイを用いる現代の飛行時間型測距システムと比較して取得速度が遅く、高精度チャープレーザー光源や高コヒーレントレーザー光源を必要とするため、ライダーシステムの普及と並列化が阻まれている。今回我々は、超低損失のフォトニックチップベースのソリトンマイクロコムを用いた、超並列コヒーレントライダー方式を実証する。マイクロコムのソリトン存在領域において、ポンプレーザーを最大数ギガヘルツの振幅と最大10 MHzの掃引速度で高速チャープすることにより、ソリトンパルス列の基礎となるキャリア波形に急速な周波数変化が起こるが、ソリトンパルス列のパルス間繰り返し率は維持される。結果として、単一の狭線幅ポンプレーザーからのチャープがソリトンの全てのスペクトルコムの歯に同時に移され、これによってFMCWライダーにおける並列処理が可能になる。我々は、この方法を用いて30の別個のチャネルを生成し、共に3メガピクセル毎秒に相当する速度で距離と速度の両方の並列測定を実証した。サンプリング速度は150メガピクセル毎秒を超える可能性があり、FMCWライダーの画像リフレッシュ速度は、目の安全性を損なわずに最大で2桁増大する可能性がある。この方法を、ナノフォトニック回折格子に基づくフォトニックフェーズアレイと組み合わせると、小型で超並列かつ超高フレームレートのコヒーレントライダーシステムのための技術的基礎が得られる。

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