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神経科学:食物摂取の機械感覚フィードバック制御の神経回路機構

Nature 580, 7803 doi: 10.1038/s41586-020-2167-2

消化管から脳への機械感覚フィードバックは、過剰な食物・水分摂取を制限するのに重要だが、その基盤となる腸–脳間情報伝達の経路や機構についてはほとんど分かっていない。今回我々は、マウスで、プロダイノルフィン遺伝子を発現する傍小脳脚核のニューロン(以後PBPdynニューロンと記す)が、上部消化管で生じる機械感覚信号を用いて、液体と固体の両方の摂取を監視していることを示す。個々のPBPdynニューロンの大部分は、食物摂取および口や胃への刺激によって活性化しており、これは消化管の異なる部位全体からの感覚信号が統合され表現されていることを示している。PBPdynニューロンは、脳神経経路および脊髄経路を介して末梢消化管と解剖学的に結合しており、我々はこれらの経路のうち、迷走神経が、胃の拡張信号をPBPdynニューロンへと運んでいることを示す。この信号を受けると、PBPdynニューロンは嫌悪と食欲抑制の信号を生み出し、これが一部は視床下部室傍部への信号伝達を介して摂食・飲水の開始を抑止する(胃拡張による症状が完全に再現される)。対照的に、同じPBPdynニューロン集団を阻害すると、摂食衝動の存在する場合にのみ過剰摂食が起こることから、PBPdynニューロンが負のフィードバック信号伝達を仲介していることが確認された。今回の知見は、機械感覚による摂食の監視と、消化管の拡張に伴う摂食行動の負のフィードバックの神経基盤機構を明らかにするものである。

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