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神経変性:LRP1はタウの取り込みと拡散におけるマスター調節因子である

Nature 580, 7803 doi: 10.1038/s41586-020-2156-5

疾患進行中に見られるタンパク質凝集体の拡散は、多くの神経変性疾患の根底にある共通のテーマである。微小管結合タンパク質タウは、タウオパチーと呼ばれるいくつかのタイプの認知症(アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、慢性外傷性脳症など)の発病に中心的な役割を担っている。これらの疾患の進行は、タンパク質凝集体の一連の拡散と沈着という予測可能なパターンで特徴付けられ、こうしたパターンは臨床的重症度と相関する。この観察結果やそれを補完する実験的研究から、タウはプリオンに類似した様式で拡散する可能性があり、正常な細胞に移動して、その中でミスフォールディング(誤った折りたたみ)と凝集の鋳型になることが示唆されている。しかし、タウの伝播について大規模な研究が行われているものの、その根底にある細胞機序については、まだほとんど分かっていない。今回我々は、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1(LRP1)が、タウのエンドサイトーシスとその後の拡散を制御していることを示す。LRP1をノックダウンすると、H4グリオーマ細胞や誘導多能性幹細胞由来ニューロンにおけるタウの取り込みが顕著に減少した。タウとLRP1の間の相互作用は、タウの微小管結合リピート領域中のリシン残基を介して起こる。さらに、タウ拡散のin vivoマウスモデルにおけるLRP1の発現低下は、ニューロン間のタウ伝播を効率的に減少させることが分かった。我々の結果から、LRP1が脳内のタウ拡散の主要調節因子であり、従って、LRP1はタウの拡散や凝集を伴う疾患の治療において標的となり得ることが明らかになった。

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