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がんゲノミクス:アジア人集団における前立腺がんのゲノムアトラスとエピゲノムアトラス
Nature 580, 7801 doi: 10.1038/s41586-020-2135-x
前立腺がんは、男性のがんでは世界で2番目に多い。この10年間で行われた大規模な統合ゲノミクス研究によって、数千人の患者についてその遺伝的およびエピジェネティックな全体像の特性が明らかにされ、この疾患に関する理解が深まってきた。しかし、これらの研究でプロファイリングが行われた腫瘍のほとんどは、西洋人の患者から得られたものである。本研究では、中国人の原発性前立腺がん患者から得た、腫瘍組織試料とそれらに対応する健常な対照組織208対について、全ゲノム、全トランスクリプトームおよびDNAメチル化データを作製し解析した。公開されている2554の前立腺腫瘍のデータとの体系的な比較から、中国人患者のゲノム変化シグネチャーは、西洋人コホートのそれとは著しく異なることが明らかになった。具体的には、腫瘍の41%でFOXA1に変異が見られ、ZNF292とCHD1がそれぞれ18%で欠失していた。ゲノムとエピゲノムの変化は相関しており、これらの変化はがんの表現型とプログレッションを予示した。コーディング変異とノンコーディング変異だけでなく、エピ変異も前立腺がんに重要な経路へと収束が見られ、この重篤な疾患についての手掛かりが得られた。これらの発見は、疾患の総合的ゲノムマップを構築する上で、集団背景を含めることの重要性をはっきりと示している。

